安濃城は、安濃川左岸の標高30〜50の丘陵上に築かれた平山城である。丘陵地頂部の阿由多神社を主曲輪として、松原寺の北側の山林一帯に城跡が広がっている。城址へは阿由多神社鳥居から登る。生い茂った竹やぶにより、昼なお暗いという状態だ。主曲輪に鎮座する阿由多神社の周囲を空堀と土塁が取り囲み、南西隅には櫓台、東と南には虎口が確認できる。
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さらに、かつては家臣の屋敷地であったと思われる曲輪が段々に続き、それぞれ土塁で隔てられている。小道を隔てた南側の丘陵にも土塁、空堀が残り、戦国時代の中伊勢地方における最大規模の城跡といわれていることが実感できる。松原寺には南北朝の頃の作と推定される聖徳太子二歳の南無仏像が伝存し、「夜泣き太子」として赤ちゃんの夜泣きがひどいときにお参りすると、夜泣きが収まると言い伝えられている。
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