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日本人が神社に詣でるのは、そこに神が坐すからである。神社にはそれぞれそこにお祭りした神、つまり祭神がある。
祭神には大きくわけて日本の神と、外国からもたらされた神とがあり、日本の神はさらに、天神と地祇とに分けられる。令義解の神祇には「天神を神といい、地神を祇という」とあり、また釈日本紀の述義に「天神とは高天原に生ずる神をいう」とある。
古訓では、天神をアマツカミ、地祇をクニツカミとよむが、これらのことによって、古代人が、国土すなわち「地」に対して、「天」としての高天原を意識し、神をその生じた位置−天と地−によって天神と地祇に分けたことがわかる。
このような天神と地祇の区別を、より明瞭にしているのは、諸氏族の系譜をまとめた『新撰姓氏録』で、これによると、各氏族をその祖神の系統により、神別・皇別・諸蕃に分かち、神別をさらに天神・天孫・地祇に分けていることである。
ただし、諸社の祭神のなかには、神武天皇以後の天皇を祭神とした神社や、菅原道真の天神(アマツカミとは別)をはじめ、人臣にして神に祭られた神社もあり、これらは天神・地祇の区分には入らない。
外国から来た神とされるものは、主として朝鮮・中国から帰化した人たちがもたらした神で、蕃神と呼ばれた。『日本書紀』欽明紀に「方今改めて蕃神を拝す、恐らくは国神の怒を致さん」とある蕃神は、仏陀のことであるが、蕃神をトナリノクニノカミと呼んでいる。
蕃神を祀った神社には、杜本神社・許麻神社・坂上神社・辛国神社などがあり、その数も少なくない。
・神々のふるさとともいわれる高千穂の風景
●神々の系図
・『古事記』『日本書紀』の神話に出てくる神が別ページの神々の略系図で、
それぞれの神がどの神社の祭神となっているかも付記しています。
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