鎧戸に、幕に、堤灯に。 境内のあちこちに下げられた、釣灯篭にも。 |
湯島天神は、学問の神様"菅原通真"を祀った神社として、受験生で知らぬ者はない神社の一つである。藤原氏との政争に敗れて大宰府で生涯を終え、死後に神として祀られた通真が愛したのが梅の木であった。天満宮の神紋の「梅」は、それにちなんだものであることはいうまでもない。 稲荷神社の「抱き稲」紋。堤灯と塞銭箱の意匠が違うのは? 戸隠神社の「鎌」紋。 稲荷神社は、農業の神様として、また、商売の神様として庶民に愛されている神社である。その神紋は農業に根差した抱き稲紋だ。鎌紋は、信州の諏訪神社の神紋で、武神のシンボルであった。信州の山奥に鎮座する、戸隠神社も諏訪神社との関係から「鎌紋」を用いたようだ。そして、鎌は稲刈りの道具としても、重要なもので、稲の収穫が終わると「鎌祝い」をする地域もあるという。このように、両社ともに、物生りの神様として、湯島天神に勧請されたものだろう。 |