祇園祭、祭と家紋を楽しむ
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山鉾巡行


祇園祭のハイライトである山鉾の巡行は、毎年「くじ取り式」で引いたくじの順番通りに行われる。 しかし、唯一生稚児が乗る「長刀鉾」だけは「くじ取らず」として、毎年、必ず先頭を行く慣わしに なっている。巡行は四条麩屋町に立てられた斎竹に張られたしめ縄を「長刀鉾」の稚児が 切り落とす「しめ縄切り」ののち、長刀鉾が動き出しくじの順番で山鉾巡行が開始される。 途中、くじの順番通りに進んでいるか、奉行が確認する「くじ改め」が行われ、そのときの所作は 山鉾によって異なり、見所のひとつとなっている。
巡行当日の人出はすさまじいばかりで、身動きすらとれない状態となる。その群集の間を 華麗に、ときには豪快に京都の目抜き通りを行く山鉾巡行は京に夏を呼ぶ一大ページェントである。 巡行が終わったのち、神幸祭御輿渡御、花傘巡行、遷幸祭御輿渡御、28日は御輿洗い、そして31日 には疫神社夏越祭が行われ一ヶ月にわたった祇園祭は幕を閉じる。そのころには、 京の町には本格的な夏が訪れている。

中国戦国時代の斉の孟嘗君にちなむ函谷鉾の巡行



山鉾巡行のスナップ
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ところで、鉾は十二トンで曳子と呼ばれる綱を曳く人は三十人から五十人、 一方の山は1.2〜1.5トンという重さで舁方は十四人から二十四人を要するという。 巡行の圧巻は方向を変える舵のない山鉾を方向転換させる辻回しで、 車輪の下に割り竹や棒を敷き、横から引っ張って車輪を滑らして廻す。囃子方、 曳き手ら山鉾に関わるものが 呼吸を合わせて行うさまは勇壮そのもという。巡行を終えた山鉾は、それぞれの町内へ 戻っていき、すぐに解体される。それは、神座に集めた厄神を四散させないためという。




●宵 山 ・  ●宵々山