丹波柏原で家紋ウオッチ


丹波柏原は、江戸時代、二つの織田家の城下町であった。はじめの織田家は信長の弟信包が、豊臣時代の 慶長三年(1598)に伊勢国安濃津から三万六千石で移封されたもので、丹波柏原藩の始めであった。しかし、 孫の信勝に子がなく断絶したのち、しばらく天領時代がつづき、元禄八年(1695)に至って 信長の次男信雄の流れの信休が大和宇陀から二万石で転封されてきた。以後、代々封を継ぎ、明治維新を 迎えている。柏原は小さな町だが、城下町の雰囲気がよく残り、織田家ゆかりの歴史スポットも多い。 そして、街のいたるところに据えられた織田家の「五葉木瓜(織田木瓜)」が、 天下統一を目指した織田家の幽かな残照を感じさせてくれるところだ。


 


町を歩くと藩政時代の陣屋跡、太鼓櫓が残り、町のあちこちに織田家の紋「五葉木瓜(織田木瓜)」が 散見される。
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●陣屋跡 ●織田信勝を祀る織田神社 ●藩政時代の太鼓櫓




浄土宗西楽寺は寺伝が不明というが、幕に据えられた蝶紋は織田家とのゆかりを感じさせる。
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●西楽寺の杏葉紋 ●幕の菊輪に揚羽蝶紋 ●町の築地瓦に織田木瓜紋  (2006年10月9日)




かつて織田家の菩提寺であった徳源寺は、いまは廃寺となってしまって歴代織田家の墓石群が 寂しく立つばかりだ。
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●織田家墓所へ ●墓に据えられた織田木瓜紋 ●側室のものか、三つ柏紋  (2009年5月14日)