丹波柏原は、江戸時代、二つの織田家の城下町であった。はじめの織田家は信長の弟信包が、豊臣時代の 慶長三年(1598)に伊勢国安濃津から三万六千石で移封されたもので、丹波柏原藩の始めであった。しかし、 孫の信勝に子がなく断絶したのち、しばらく天領時代がつづき、元禄八年(1695)に至って 信長の次男信雄の流れの信休が大和宇陀から二万石で転封されてきた。以後、代々封を継ぎ、明治維新を 迎えている。柏原は小さな町だが、城下町の雰囲気がよく残り、織田家ゆかりの歴史スポットも多い。 そして、街のいたるところに据えられた織田家の「五葉木瓜(織田木瓜)」が、 天下統一を目指した織田家の幽かな残照を感じさせてくれるところだ。 |