ちりとて&オバマ、若狭小浜で家紋を探る。


小浜は若狭国中央部に位置し、若狭湾に北面する古くからのの日本海の要港であった。 若狭国一宮の若狭彦神社、若狭国二宮の若狭姫神社が鎮座し、中世には若狭守護として 若狭一国を領した武田氏が本拠を置いたところとして知られる。武田氏は京都から多くの貴族を 招き入れ、公家文化を華開かせた大名としても知られる。
最近ではNHK朝の連ドラで好評を博した「ちりとてちん」の町、 黒人として初めてアメリカ大統領となったオバマを応援したことなどで日本はもとより世界的に 有名なところとなった。町を歩くと中世から近世の遺跡がよく残っていて、家紋散策にも うってつけの町である。
写真:福応山佛国寺と後瀬山城址(後方の山上)


 
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●若狭彦神社 ●神紋の抱き波に宝珠 ●若狭姫神社

室町時代、若狭守護に任じられた武田氏の居城であった後瀬山城祉、歴代の菩提寺には武田氏の 家紋である「割菱」が寺紋として伝わっている。 戦国時代末期に武田氏は滅亡、関が原の合戦ののちに京極氏が入部。京極氏が転封になったあと 酒井忠勝が入部、以後、代々封を襲いで明治維新に至った。

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●後瀬山城祉に残る石垣 ●福応山佛国寺山門の割菱紋 ●霊松山発心寺の水受け・鬼瓦の割菱紋

酒井氏はかつて武田氏の居館址に 菩提寺空印寺を建立、庫裏や山門などに酒井氏の定紋「剣片喰」が据えられている。境内の一角には、 人魚伝説で知られる不老不死の女性八百比丘尼が入寂したという洞穴が残っている。 若狭の町の一角に、NHK朝の連ドラ「ちりとてちん」のショップがあり、 塗り箸などのゆかりの土産を購入することができる。店のマークは、当然ながら 徒然亭一門「丸に蝉紋」であった。

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●八幡神社の菊に対い鳩紋 ●酒井氏の剣片喰 ●八百比丘尼が入寂したという洞穴 ●徒然亭一門の紋