菱 紋
菱紋は日本の家紋のなかでは、珍しい幾何学的図形の紋だ。家紋は総じて花鳥風月が主流をなし、そこから醸し出される曲線美が好まれるからだ。菱文様はきわめて古い文様である。基本的には菱持といわれる純然とした菱形である。ここから多くのバリエーションが派出して、200種以上の紋があるといわれる。この菱紋では、甲斐の武田氏のそれが有名だ。(花菱)
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【主な使用家】
甲斐武田氏が平安後期から使っているという。武田氏の菱紋には、割菱形と花菱形とのふたつがある。武田氏ゆかりの恵林寺にもこれらの紋が見られる。「割菱は定紋で、花菱は裏紋」だという。
割菱系では、石和、浅利、加々見、上条、穴山の武田氏の一族諸氏。花菱系は、柳沢、酒以、油川、長坂、駒井の諸氏。三階菱・松皮菱系は小笠原、秋山、高室の諸氏が用いている。菱紋は武田・小笠原氏流が多く使用している。が、周防の大内氏、平氏系の伊勢、城、秩父氏も菱紋を用いている。なかでも大内氏の紋は大内菱と呼ばれ、異国風のデザインだ。
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武田菱 |
三階菱 |
陰花菱 |
花 角 |
松皮菱 |
入子菱 |
丸に三つ菱 |
菱 持 |
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