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唐花紋

 唐花は、実在の植物を具象化したものではない。大風呂敷などに描かれる唐草模様と同じく、大陸伝来の「唐風」の花模様。奈良時代にはすでに使用されており、正倉院の唐櫃、鏡函などに見られる。平安時代になると好んで使われるようになり、殿上人の衣服調度などに据えられていた。この模様がやがて家紋へと転じていったようだ。唐花紋の花弁は。四と五が普通だが、六弁、八弁もあり、剣や蔓の出ているものもある。公家の閑院宮家の一門のものが有名。(五つ唐花)

【主な使用家】

 唐花は、たんに模様のために案出されたもので、わが国在来のものではなく、大陸から渡ってきたものである。中国で盛唐のころ、唐花紋様の染織物がたいへん流行したという。これがわが国に伝わったのは遣唐使に負うところが多いようだ。  唐花紋は「見聞諸家紋」を見ると、松田家、東条家が用いている。公家では閑院家一門(滋野井・四辻・阿野・花園・武者小路・園池・西四辻・三条など)すべてが使用していることが「雲上明覧」に出ている。
 その他、清和源氏新田氏流の寺尾氏が「結び鐶唐花」を清和源氏足利氏流から出た渋川氏が「五葉唐花」を用いている。

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