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タイトル


酢漿草紋

 昔話に、かたばみの葉をすりつぶして鏡を磨くと、想う人の顔が鏡のなかにあらわれるという話がある。 さらにかたばみ紋の葉はハート形で、女性に好まれる紋といわれる由縁である。また、 良妻と賢母を両立させる草としても親しまれている、西洋でもかたばみの花言葉を「賢い婦人」と いっているのが面白い。田のつく姓にはかたばみ紋が多いようだ。(剣酢漿草)

【主な使用家】

 「見聞諸家紋」には、肥田、中沢、多賀、赤田、平尾などの諸氏が用いたとある。公家では、大炊御門、冷泉、藤谷、入家の諸家が使用している。
 備前の宇喜田氏は、かつて広大な湿地帯であった、児島郡を開拓して田にした。水が多い田なので浮田、のちに佳字をあてて宇喜田にしたという。また土佐の長曽我部氏はその祖、泰能俊が土佐に下向するときの別れの盃にかたばみの葉が七枚浮いていたことから、「七つかたばみ」を紋としている。かたばみ紋は山陰、北陸地方に多いようだ。

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