多紀連山の主峰であり、丹波修験道の中核であった三嶽。
古くは藍波ヶ峰(らんばがみね)と呼ばれた。頂上は東西二つの峰に分かれ、
東側には修験道の開祖とされる役の行者を祀る石室があり、西側が最高峰で一等三角点が設置されている。
頂上からの眺めは抜群で、南面すると松尾山・白髪岳がゆったりと聳え、北面すれば
本郷から綾部方面までが一望できる。 中世、丹波修験道の中心となる新金峯山大岳寺がされ、三岳修験は活況を呈して僧兵を養うなどおおいに栄えた。 そして、福泉寺・楞厳寺・清龍寺・豊林寺・東明寺・満楽寺・金輪寺 ・西光寺・高安寺・興聖寺・佛性寺などの寺が建立されたが、丹波修験道の隆盛を危惧した本山である吉野大峯の 攻撃を受け、大岳寺をはじめ連山の寺々はことごとく焼亡してしまった。いまも、三嶽界隈にはかつての 繁栄を偲ばせる、数々の遺跡が点在している。 |
また、多紀連山は県立自然公園に指定され、登山道も整備されて多くの登山客で賑わっている。
四季を通じて様々な表情を見せてくれる多紀連山は、修験道で栄えた厳しい歴史を秘め、
イワカガミ・オサシダ・クリンソウの群落など、
高山植物・山野草・鳥獣も多く、山歩きの楽しさを満喫できるところだ。
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