はじめて登ってから二年、その間、見落とした遺構が多かったことに気付かされていた。今回も南尾根からのぼり、主郭に続く曲輪群に取り付いた。主郭部と西尾根に続く曲輪を穿つ大堀切、主郭の北の曲輪から北西曲輪を結ぶ土橋、竪堀、北西曲輪の虎口と横矢掛けなど見応え十分だ。一方、東尾根に連なる曲輪群とは土橋で結ばれ、最東端の曲輪は二重土橋をもった堀切が穿たれ、その先に続く尾根との間を断ち切っている。なかなかの規模と戦闘力を有した戦国山城であることが改めて実感できた。また、登山道の整備、曲輪に繁る木々の伐採など、遺構を壊すことなくほどよい手入れがなされているのも気持よかった。
|