家紋の分布から探る
近畿地方には、古代から近代まで、藤原京・平城京そして平安京と永く都があった。八世紀末、
桓武天皇の平安遷都により日本の中心となった京都は、皇室の「菊紋」に代表される王城の地であった。しかし、
南北朝の内乱から応仁の乱を経て戦国時代まで、戦乱の巷となることが多かった。他方、藤原京・平常京のあった
大和は、菅原氏発祥の地で天満宮が多く、「梅鉢紋」にゆかりが深い。摂津は嵯峨源氏渡辺氏の故郷で
「三つ星一文字紋」。いずれにしろ、近畿地方は古代以来、早くから開発されたところだけに豪族の子孫も多く、
家紋も多彩である。また、キリシタン信仰が早くから広まり、
「クルス紋」を用いた武将も多かった。畿内に接した播磨は赤松一族が広がって「巴紋」が多い。
京都府・
奈良県・
大阪府・
兵庫県・
滋賀県・
三重県・
和歌山県
|